ドイツのブンデスリーガでフランクフルト所属の長谷部誠選手が、
過去に記録した奥寺氏の出場記録数を越え、通算で最多の235試合を記録しました!
2002年にプロサッカー選手としてのキャリアをスタートし、
ドイツでは10シーズンを経ての記録達成ということで、メディアでも
フィーチャーされていますね。
記録を達成した試合では、残念ながらチームは敗戦となり、
長谷部選手としては素直に喜べない結果となり、試合後のインタビューでも
淡々と反省点を述べており、少しも浮かれた様子が無い、いかにもキャプテン然とした
振る舞いが印象的でした。
日本人が欧州主要リーグで活躍することは、同じ日本人として大きく刺激されます。
長谷部選手のこれまでのキャリア、活躍について少し掘り下げてみました。
プロサッカー選手としてのキャリア
日本、ドイツのクラブでキャリアを築いていますが、どのようなキャリアを
過ごしてきたのか振り返ってみました。
2002-2007 浦和レッズ
2008-2013 ヴォルフスブルク
2013-2014 ニュルンベルク
2014-現在 フランクフルト
日本では浦和レッズのみ所属しており、
その後はドイツで10シーズンを過ごしていますが、
ドイツでは3つ目のクラブで現在も活躍中の長谷部選手です。
浦和レッズ時代は、トップ下も務めていたこともあり、
攻撃的な和製カカーのイメージの強い選手でしたが
キャリアの後半は日本代表でも活躍しているボランチのポジションを
担っていました。
所属クラブ、日本代表での活躍が目に留まり2008年にヴォルフスブルクに
移籍しましたが、軍曹の異名をとるマガト監督の元でさらにその才能は開花し、
2009-2010シーズンにリーグ優勝を経験。
マイスターシャーレを掲げていた映像は今でも記憶が蘇りますね。
その後は、監督が変わったことの影響は、ポジション争いの激化など様々な要因から
なかなか安定した活躍ができず、ニュルンベルクへと活躍の場を移します。
そこでは、清武選手とともにプレーすることになりましたが、
ケガで本調子とまではいかず、
結果としてフランクフルトへ移籍することになりました。
正直、清武選手ともう少しプレーできれば、
日本代表でも良い関係性でプレーができたような気もしますが、難しいものですね。
フランクフルトでは、当初乾選手も所属していたましたが、
途中でスペインのエイバルへ移籍され日本人所属選手は
長谷部選手のみとなりました。
現在は、コバチ監督の絶大なる信頼のもとキャプテンシーを
いかんなく発揮しています。
なぜドイツで活躍できたのか?
235試合というと、1シーズンでリーグ戦だけでフル出場すると33試合なので、
だいたい7シーズ過ごすと達成できるわけすが、
長谷部選手は10シーズンで達成することとなりました。
各国の代表クラスの選手が多く、競争の激しいブンデスリーガで
これでコンスタントに出場するのは並大抵のことではなかったことでしょう。
まだキャリアは続けられていることもありますが、
活躍できているその理由は何なのでしょうか?
長谷部選手自らが「キャラクターがドイツに合っていた」と
発言されていましたが、実際どういうことなのでしょうか。
一般にドイツの国民性は日本人のそれと似ていると評されることが多いですね。
特に秩序を重んじ几帳面さ、勤勉さを美徳とする国民性が
日本と相通ずる点としてよく挙げられます。
欧州諸国と比べても電車の時刻が正確である、などど言われたり
することもあるようです。
そして意外ですね、
日本人と同じような感覚で頻繁に「すみません」を使うそうです。
欧米の人たちはあまり非をを認めないという印象が強いですが、
ドイツ人は違うようです!
こういった、一般的な国民性から照らし合わせると、
まず日本人選手がドイツで生活することは大きなアドバンテージが
ありそうに感じます。
これに加えて、
長谷部選手ならでは相性・選手としてのスタイルがマッチしたのでしょう。
それでは長谷部選手の特徴は何が挙げられるのでしょうか?
長く安定したキャリアを過ごしている選手は、まず間違いなく
大きなケガをしていないです。
良く例に挙げられるのが、ガンバ大阪の元日本代表のヤットこと遠藤選手ですね。
長谷部選手もニュルンベルク時代はケガに悩まされていて、
その実力を発揮できていない時期が若干ありましたが、
それ以外のクラブでは安定したコンディションでクラブに貢献しています。
そして、フィジカルも日本人選手にしては強く、
欧州の選手に当たり負けしないというところが大きいですね。
次に挙げられるのが、複数のポジションでプレーできるユーティリティー性ですね。
トップ下からサイドバックまで幅広くカバーできるのですが、
なんとヴォルフスブルク時代にはゴールキーパーまでも経験しています。
そのため監督としては、ピッチ上にかけてしまったピースを埋めるためには
使い勝手のよい選手として重宝されているのかもしれません。
一方で、幅広くポジションをプレーできるため、器用貧乏になりそうですが、
そこは日本代表でも発揮しているキャプテンシー、リーダーとしての振る舞い、
視野の広さなどが際立っており、チームに欠かせない選手として、
チームメイトはもちろん監督からも絶大な信頼を得ています。
特に、チームを有利な状況に運ぼうと試合中に審判と
頻繁に会話を交わすシーンなどは印象的です。
こういったことが、ドイツのキャリアの中で安定して試合に出場できている
秘訣だと言えます。
他に続く日本人選手
欧州でプレーする選手自体は、近年増えてきておりもはや目新しい状況ではありません。
しかし、長谷部選手のように安定しプレー機会を得ている選手は少数です。
過去には、イタリア・スコットランド・スペインで活躍した中村選手は、
3つのリーグで出場試合数は、249試合でこれも大記録ですね。
イタリアでの活躍が記憶に残る中田選手は、
イタリア・イングランドの2つのリーグで活躍していましたが、
出場数は257試合でこちらも大記録。
長谷部選手は、この2人に続いて活躍中ですが、この後に続く選手はいるのでしょうか?
イタリアでのプレーが長い長友選手は、
昨シーズンまでで172試合の出場となっています。
オランダ・ロシア・イタリアでプレーしている本田選手は、
昨シーズンまでで257試合の出場。
オランダ・イングランドでプレーしている吉田選手は、
昨シーズンまでで148試合の出場。
現在の現役で活躍している上位に該当する選手をピックアップしてみましたが、
本田選手は長谷部選手以上に欧州の舞台では試合に出場していますが、
オランダでは2部に数シーズン所属していたことや、
欧州主要リーグでないロシアでのキャリアなどを考慮すると
長谷部選手のキャリアには及ばないでしょう。
日本代表メンバーの中でも長谷部選手の後継者が
なかなか発掘できていない状況をみるに、
長谷部選手と同じようなキャリアを積める選手が今後出てくるかは
残念ながら非常に不安な状況と言えるでしょう。
スペインに旅立った柴崎選手にも、長谷部選手と同じボランチということもあり、
期待したいところですね。