先日、「戦慄の記録インパール」と題したインパール作戦に関する放送がありました。
甚大な死傷者を出した作戦として知られていますが、改めて悲惨な作戦でした。
歴史的な敗北を喫した作戦として、
現代でもこの作戦の無謀な作戦の代名詞としてたびたび引用されることがあります。
現代でもこれに似た状況がしばしば発生しています。
今回の記事では、インパール作戦について、無謀な作戦といわれる理由について
そして、現代のインパール作戦としてビジネスパーソンが
多数ツイートされていますので、その一部始終もご紹介したいと思います。
インパール作戦とは
太平洋戦争の数ある局地戦の中で最も無謀と言われた作戦がインパール作戦でした。wikipediaを参照します。
インパール作戦(インパールさくせん、日本側作戦名:ウ号作戦(ウごうさくせん))とは、
1944年(昭和19年)3月に[3]日本陸軍により開始され7月初旬まで継続された、
援蒋ルートの遮断を戦略目的としてインド北東部の都市インパール攻略を目指した作戦のことである。
引用 -wikipedia インパール作戦–
最終的には、
9万人を動員した作戦は食糧不足により約4万人が餓死、
多大な損害を出し3/8に開始された作戦は7/3に中止された作戦でした。
無謀な作戦の理由
長距離の遠征作成にもかかわらず、兵站(食料)の準備や補給体制が十分でなかったことが、
作戦決行前から、軍の内部でも指摘されていました。
結果的に、この点が悲劇をもたらし凄惨な作戦、無謀な作戦と呼ばれる所以となりました。
当初より反対派が多数いましたが、
牟田口中将(のちに軍司令官)を優遇する軍上層部の意向により
反対派は徐々に更迭され、反対派の声が届かなくなり作戦が決行されてしまいました。
実際の食糧事情としては作戦を決行する軍全体として
56万トンキロ程度が必要と推定されていた中で、
最終的に上記の要求はどんどん削減され要求量の17%程度しか無かったと
言われています。
また、兵站の不足分について敵補給基地を占領し補給するという方針しており、
これは、ディマプールという英国軍の物資補給基地を指しており、
ここを早期に陥落できれば食料事情は解決できる、という算段でした。
当時の日本軍の食料事情を考慮すると、
携行装備や物資などがギリギリの状況であったことは当時状況から
ある意味仕方のない状況だったことが伺えますが、
当初より反対派が多数いる状況では決行する必要性については疑問符が付く状況でした。
また、上記にある通り食料を早期に敵から奪うという
「迅速性」が求められる作戦であり一定のリスクがあったことは否めません。
食料確保の失敗
作戦の初期に日本軍は要衝ディマプールとインパールをつなぐ拠点コヒマを早期に陥落したのですが、
その後にディマプールを続けざまに攻めれば食糧を確保できる可能性がありました。
しかし、軍内部のいざこざで進撃を停止してしまい、
食料確保に失敗します。
結果として、
この判断が戦局を大きく変え日本軍の食糧事情が厳しくなり
敗戦に繋がってしまったみる可能性があります。
ジンギスカン作戦の失敗
食糧確保の作成が失敗に終わり、補給への対策は急務でした。そこで、牟田口軍司令官は現地で荷物を運ばせる用に牛を調達し、
運ばせた後には食糧に転用する作戦「ジンギスカン作戦」を考案し、
実施させた。
しかし、厳しい山越えや渡河の際に、牛は耐え切れず放棄されてしまい、
この作戦も失敗に終わってしまいました。
現代のインパール作戦
現場の状況を踏まえず、功を欲して無謀な提案をしてしまう、指示を出してしまうといった話は現代でもよく耳にします。
従軍記にも似たビジネスパーソンのやるせないツイートが
「あなたの周りのインパール作戦」のハッシュタクを付けて賑わっています。
あなたの周りのインパール作戦
生死がかかっているわけではありませんが、それでも仕事人生で死活問題にあることが多々あります。
実際に現場の工数がまったく足りないのに、
会社方針で契約をバシバシとってきて、
しかも工数の補充も無く疲弊していく現場の社員たち…。
少し抜粋してみたいと思います。
#あなたの周りのインパール作戦 Tweets
まとめ
戦局、現場の状況を踏まえず無謀な作戦を決行してしまい、甚大な被害を出してしまったインパール作戦。
早期決戦を目指して結構した作戦でしたが、
敵の補給基地を陥落できれば、勝機があったのでしょうか。
翻って、現代日本でも未だ、似たような状況が多数ツイートされています。
経営判断の上層部と現場の見解が一致することが難しいのでしょうか。
それとも上層部はやはり現場を軽視しているのでしょうか。
発言の経緯は置いておいて、
「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」
という名台詞が過去に流行りましたが、
まさにこれを念頭に置いてもらいたいと切に思います。
そしてこのような甚大な被害・損害を出すような国政として
下されないことを重ね重ね願います。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。