身体を刺すような寒さが落ち着き、少しずつ暖かくなり始める頃、春一番という言葉がよく聞かれるようになりますね。春一番とは、「立春から春分の間に初めて吹く南寄りの強い風(東京で最大風速が風速8.0m/s以上の風)」です。
北海道・東北・沖縄を除く地域でほぼ毎年観測される風ですが、各地域によって強風自体が吹かない年や、「立春から春分の間」に吹かなかった年は「観測なし」とされたりします。
今回の記事では、春一番は関東でいつ頃観測されるのかをご紹介します。
2019年の春一番、関東での観測時期は?
ズバリ観測される時期は立春から春分の間、具体的には2/4ごろから3/20ごろです。
立春と春分の日が年によって前後するため、毎年必ず日にちが決まっているわけではありませんが、概ねこの範囲と決まっています。また、「春分までの間」ですから、春分の日に吹いた風は含まれません。
2019年の立春と春分の日はそれぞれ既に決まっていますから、2018年の場合は、2/4〜3/20となります。
春一番の定義のおさらい
冒頭でも触れましたが、春一番の定義は「立春から春分の間に初めて吹く南寄りの強い風」です。
その他には、意外と知られていないかもしれませんが、
・前日より気温が高い、ほぼ同じ、平年より高い(各地域の気象台によって違う)
という定義があります。
風速についても各気象台で若干の差異はありますが、概ね風速6〜10m/sとなっています。
この定義に当てはまっていなければなんと「春一番」とは呼ばれないのですね!
春一番の由来は?
春一番の定義はここまでで紹介して来ましたが、体感的には、春一番が来ると本格的に春になる、暖かくなってくる、という意味があります。また、「春一番」という言葉の由来は、Wikipediaによると次のように記述があります。
「安政6年2月13日(1859年3月17日)、長崎県壱岐郡郷ノ浦町(現・壱岐市)の漁師が出漁中、おりからの強風によって船が転覆し、53人の死者を出して以降、漁師らがこの強い南風を「春一」または「春一番」と呼ぶようになった」
引用:Wikipedia「春一番」
春一番は春を告げてくれる暖かい風ですが、同時に非常に強い風でもありますので、
・竜巻
・雪崩
などの気象災害につながることも多いので、充分に警戒が必要です。
1978(昭和53年)に吹いた関東地方の春一番では、営団地下鉄(現・東京メトロ)の東西線が竜巻で転覆し、脱線・横転による負傷者23名を出す事故が起きてしまったこともあります。
強風で電車が減速し、遅れるのは通勤・通学にとって不便ですが、こうした事故を出さないために必要なことなのです。
良く吹く地域、吹かない地域がある?
春一番は毎年どこかで吹いていますが、実は地域によってはその年は吹かないこともあります。それと関連し、春一番自体が良く吹く地域とそれほどでもない地域があります。
観測を行っている範囲で、春一番がよく吹く地域次の順になります。
2.中国・四国、九州北部
3.九州南部や近畿・東海
また、冒頭でも少し触れましたが、観測対象外の地域として、
・東北
・長野
・山梨
・沖縄
があります。
それぞれ次のような事情があります。北海島や東北、長野では春一番のような強い風が吹いてもまだまだ寒い日が続くため、「春一番」という観測を行いません。また、沖縄と山梨では、警戒が必要なほど強い風にならないため、こちらも観測を行いません。
春一番は春を体感できる暖かい風
今回の記事では、春一番の定義や由来、観測時期についてご紹介しました。
春一番が吹くと、暦の上だけでなく体感的にも「暖かいな」と感じることができるのではないでしょうか。
しかし、春一番が吹いた日は暖かいのですが、翌日は「寒の戻り」と言い、気温が冬並みに逆戻りします。
また、春一番の後も「春二番」「春三番」と強風が続くことがあります。
寒さと風による事故には充分注意して、春を迎えましょう!
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